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December 26, 2008

お酒の炭酸ガス! 

先日、一ノ蔵さんの見学で炭酸ガスの体験をお伝えしましたが、今日届いた宮城県のメルマガに橋本先生の話が炭酸ガスの話です! 転記します!

■ 1 みやぎのおいしい地酒 … お酒と炭酸ガスのはなし ■
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 みやぎのおいしい地酒にまつわるいろいろな話を、毎月1回、産業技術総合センターの橋本副主任研究員が紹介します。

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 早いもので、今年もあと5日となりましたね。年末年始はなにかと集まりが多くて、お酒を呑まれる機会も多いことと思います。私も毎年1月2日は高校の同級会をしておりまして、当時の担任の先生をはじめ、懐かしい面々とお酒を呑む予定です。そのときには、いつもその年のお薦めの銘柄のお酒を会場に持ち込んで、同級生たちに呑んでもらっていますので、これから何を持っていこうか決めようと思っていますが、今年はどの蔵も好調で、それぞれいい品質に仕上がっているので迷いに迷うところです。

 この時期になると、早い蔵元さんでは「初しぼり」「しぼりたて」などとして今年の新米で造ったお酒の第1号が店頭に並びます。これらは原酒(搾り後、基本的に加水しない)として出荷されることが多いため、アルコール度も17度から18度と高めのものが多いですから、普段召し上がっているお酒よりも濃い目に感じられるかと思います。私も先週の土曜日に県内のある蔵の「しぼりたて生原酒」を720ミリリットル瓶で買ってきまして、早速、晩酌にいただきましたが、私には少し強かったので、大体2割ほど水を加えたところ、大変呑みやすくなりました(こういう使い道のため、ペットボトルに常時冷やした水を用意しています)。このお酒ですが、栓を開けるときに少し「プシュッ」となるくらい炭酸ガスが絡んでおりまして、このガス絡みのプチプチした感じが新酒らしいと思うものでした。

 「お酒に炭酸ガス?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、酒類の発酵過程では必ず炭酸ガスが発生します。お酒の場合も発酵している最中のもろみでは、酵母が発酵する際に生じる炭酸ガスでタンクの上部の空間はいっぱいになっていますので、不用意にタンクの上に顔を持ってくると、酸欠で「くらっ」となってしまうほどです。そのガスは、もろみを搾ったばかりの時には、お酒に溶けていますので口に含むとプチプチした刺激が感じられますが、タンクを移動したり、水を加えたり、フィルターなどでろ過したりするときに、多くの場合は抜けてしまいます。しぼりたて原酒のような商品や、「無ろ過」をうたう商品などの場合は、炭酸ガスが溶けているものも少なくありません。そのようなお酒の場合、グラスを2個用意して、一度注いだお酒を2つのグラスに代わり番こに移動させますと、その際
にガスが抜けてやわらかい口当たりになりますので、「この酒、なんか荒々しいな」
と思われた場合には、お試しいただきますと味の変化が楽しめます。

 また、炭酸ガスの絡んだお酒には、甘くないソーダ水に感じられるような独特の香りもありますので、ガス抜きをしていただいてから呑んでいただく際には、香りの印象も変わることがあります。地酒をそろえている飲食店さんの中には、泡立て器の小さなもので軽くかき混ぜて、ガス抜きをして出してくれるところもありまして、香味の変化も楽しめますし、見た目にも楽しいものです。

 それからしぼりたて生は、麹菌の酵素が生きていますので、保存期間中に甘さが増して徐々にやわらかになっていきますが、それと同時に、香りも独特の生熟成香と呼ばれる香りに変化していくのが普通です。このとき、お酒に炭酸ガスが絡んでいますと、生での香りの熟成が抑えられて、香りはフレッシュな状態を保ちやすい傾向があります。そのため、あえて炭酸ガスの絡んだ状態で生酒を熟成させてから火入れをすることで、香りがフレッシュなまま、味のふくらみをのせることを特徴にしている蔵元さんもあるようです。

 お酒に炭酸ガスを絡める方法には、このほかに瓶詰め時点でうすにごりにして瓶内にガスを封じ込める方法や、炭酸ガスを吹き込むことでプチプチ感のあるお酒を造る方法があります。一ノ蔵の「すず音」などは前者の方法で造られていますが、この方法は、ワインの世界ではシャンパンなどの発泡性のあるワインを造る方法として知られております。ただし、ワインの場合は絡んだオリ(固形分)を瓶に沈殿させるようにして、なるべく味には絡めないようにするのが普通ですが、「すず音」ではうすにごりの固形分も味の一部を構成していまして、技術力の高さを感じさせられます。

 今回は、しぼりたて原酒と炭酸ガスの話をいたしました。また来年もどうぞよろしく。よいお年をお迎えください。


☆「宮城県産業技術総合センター」のホームページはこちら
 -≫ http://www.mit.pref.miyagi.jp/

☆宮城県酒造組合ホームページ「みやぎの酒 選り取りナビ」はこちら
 -≫ http://www.miyagisake.jp/

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